As Usual
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数は大事だが、とらわれると文化を台無しにする。
夏には各地で花火大会が行われるが、それらは打ち上げられる花火の総数で比較される。映画は連続して上映される週の数で評価され、劇やミュージカルもやはりどれくらい長く上演されたかで競われる。本の発行部数やCDの発売枚数も同様だ。それ自体が売り文句になる指標として広く使われている。会社の業績は基本的に数字で表される。病院の検査でも、数は決定的なインパクトをもつことが多い。議会制民主主義では議会の多数決、或いは法律で定められた割合で、法案の採択なり各種の決定が行われる。選挙では得票数が重要だ。 これらは、数で決定する場合の大義がそれぞれ異なるが、常に数を目安にするため、数が本来持つべき以上に大きな価値を持ってしまうということで共通している。社会の大部分は数で洗脳されている。これを不満とする人たちは質を問題とする。 世の中には、数では競えないが、質で競えるというものがたくさんある。単館系アートフィルム、小劇場での先鋭的ダンスパーフォーマンス、特定地域の事情を深くレポートした地域限定流通本、インディーズ系レーベルによる音楽的にチャレンジングなCD、ユニークな事業で文化に貢献している小企業など、など。でも、一般に数の力は大きく、質の力は過小評価されがちだ。数には金が付き、マーケティングやプロモーション活動を大規模に行うことができる。巷に溢れる情報はどうしても、こういう「薄いが拡大された内容」モノに占められるようになる。質で競えるといっても、その質の内容を広く一般に伝えることができないという状況だ。 結局、質の高いモノは人(消費者)によって「発掘」されないと世の中では広く認められず、その数少ない恩恵にあずかることができないモノはある程度の期間頑張ったとしても、尻つぼみ状態で最期を迎えることになる。これは、そのモノを提供している側だけの悲劇ではない。質の高いモノを享受できる側が、それを享受できなくなるだけでなく、暗黙のうちに数の力に加担することによって、更に将来現れるであろう質の高いモノの登場を妨げているのだ。 この恐ろしさをどのくらいの人が気が付いているかで、文化の熟成度が変わってくる。 ■
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by bgst
| 2006-01-25 12:20
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