As Usual
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ルーマニアから来ているジプシーバンド「タラフ・ドゥ・ハイドゥークス」(Taraf de Haïdouks)の公演はこれまで数回見ているが、今回初めて完全に「生(アコースティック、エレクトリック系の楽器・設備を使用しない)」で聞くことができた。ステージでの演奏後、ホールの踊り場に出てきて演奏してくれた。想定はしていたが、やはりPA(ホールなどで使用する音声拡張・調整のための装置や設備)を通さない音が一番いい。聴衆と分け隔てがない、ジプシーバンド本来の演奏と歌が楽しめた。
エレクトリック系の楽器や音響機器が開発される前は、アコースティック演奏しかできなかったのが、20世紀に入りアコースティック楽器を使用したコンサートでさえ、クラシックを除けば、PAを通さないと成立しないという状況になった。音楽の商業化とともに、大きなホールで大勢の聴衆に聞かせるようになり、PAを使用しないと実際に音がよく聞こえないというのが一つの原因だ。より多くの人に音楽を楽しんでもらうためには、そういう方法もありとしなければならないが、一方でアコースティック楽器が本来持っている繊細で人間臭い響きが十分聞こえなくなるという問題がある。また、PAを使用すると、演奏者が自分の音と他の演奏者の音や声との一体感を持ちにくくなるというのも事実だ。 コンサートのためにかかる事業費を考えると、それなりの規模のホールなりライヴハウスを使用して、十分な数のチケットをさばくことが必須となる。既にこの時点で、PAなしの小さな場所で少人数を相手にコンサートをするという発想は抑えこまれる。アコースティック楽器のみの演奏であれば、PAなしで音を出せる場合もあるのだが、事業の観点から断念せざるを得ない。これはいい音楽を目指すものにとっては非常に残念なことだ。 現代の音楽産業や音楽関連の楽器・装置・設備のあり方からして、ある程度以上の知名度のある海外アーティストについて、クラシック以外のジャンルで完全アコースティック演奏を企画制作するのはかなり難しい。何らかの形でのスポンサーシップが前提となる。 そういう意味で、少しの時間ではあったが、ワールドミュージック・カテゴリーの世界においてかなりの知名度を持つタラフ・ドゥ・ハイドゥークスの完全アコースティック演奏が聞けたのは幸運であった。アーティストはじめ関係者の方々に感謝する。 タラフ・ドゥ・ハイドゥークス公演詳細 イギリスBBCラジオ3「第一回ワールド・ミュージック賞ヨーロッパ・中近東部門」受賞 イギリスBBCラジオ3「第一回ワールド・ミュージック賞ヨーロッパ・中近東部門」受賞 日本語記事 受賞時の映像 (QuickTime) CD "Band of Gypsies"紹介記事 (Blog) 故郷コレジャニ村を訪問した音楽ライター、写真家のトークについての記事
by bgst
| 2005-11-07 13:08
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