As Usual
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世の中、放射線量が場所により高い低いと騒がしい。
物理の原則から考えれば、あたり前のことが起きているに過ぎない。風に乗って拡散した放射線は、高いものにぶつかれば、その側に落下しやすい。高い山、高いビル、高い塔、みな風の障壁になる(コンクリート等を透過するタイプの核種は多量に飛散していないという前提)。水とともに拡散した放射線は高いところから低いところに流れる。河川から海に向かう。山に降り注いだ雨は地下に浸透し、地下水となって、またどこかに出てくる。湖、池、ダムに集まり、そこからまた川となって海へ注ぐ。 渋谷でいえば、道玄坂上や円山町の高いあたりより、渋谷駅周辺の低地に水は集まる。更に渋谷川や古川となって東京湾に向かって流れる。最近は、駅ビルや地下鉄の地下部分に滲み出してくる地下水は、まとめて都内の河川に流したりしているから、そういうところにも集まってくる。五反田駅近くの目黒川にはそういう趣旨が書かれたサインが注水口の近くに大書されている。 新宿の高層ビルあたりも放射線は集まるだろう。汐留の高層地区も同様だ。そういう所に降り積もった放射線は梅雨の雨で流され、地上の排水溝などから下水管を経て下水処理場に送られるものも出てくる。東京のような大都市はシステムとして都市機能が構築されているから、水はあらゆるところを通って循環していく。関係ないところなどほとんどない。 風はシステム制御されているわけではないが、山風海風などの日常的変動、季節風、台風や嵐などの一時的な強い風などによって常に方々を動いている。福島に近い地域の方が影響は受けやすいが、こちらも、関係ないところなどほとんどない。 土の中に入った放射線は雨水により影響を受ける。表面は埃となって風に舞う。これも関係ないところなどほとんどない。 東京に住んでいれば、放射線の影響がないところなどない。問題は、危険を避けるためのミニマム線量レベルについて、個人としてはICRP責任者すらそれほど明確には提示できないということ(最近の朝日新聞特集記事でICRP責任者がインタヴューに答えている)だ。ということは、とても神経質な人で日本政府を信用できない人は東京には住んではいけないということになる。現在のレベルが長期継続した場合、累積線量として危険なのかそうでもないのか何とも言えないのだ。ただ、日本政府はICRP が過去に出した勧告に準拠してレベル設定をしているから、政府を信用する人は東京に住み続ければいい(政府を信じれば「安全」だが、科学的に完全に安全だという保証はない。但し、放射線の問題についてのみならず、科学はいつの世も完全ということはない)。 ポイントは、放射線量の人体への影響について不明な部分があり、科学的な知見が限られているということが一つ。もう一つは政府を信用するかどうかだ。これらを考えに入れずに、高い低いといっても建設的議論にはならない。 *ICRP 国際放射線防護委員会 委員会とは言うが、固定の事務局がオフィスを構えているわけではない。責任者が幾つかの国に分かれて仕事をしている。6/19 付け朝日新聞 "The Asahi Shimbun Globe" 「放射線、リスクを読み解く」では、その中心的役割を担う責任者(カナダ在住)などにインタヴューしている。人体に対する放射線の影響について、インタヴューでは、責任者個人としては 「ミステリーだ」と言わざるを得ない部分が数値にはあることが明らかになっている。 *東京各地の空間放射線量は6月15日より測定が行われている。地表面から高さ5cmと1mの二つの位置で測定される。これによると、 都内は0.03 - 0.20 マイクログレイ/時間程度の放射線量だ。現時点では、都内東側の方が西側より多い数値が出ている。南北で言えば北の方が多い。(Wikipedia による定義:グレイは吸収した放射線のエネルギーの総量(吸収線量)を表す国際単位である。表記はGyである。単位質量当りの物質が放射線によって吸収したエネルギーを表す。この単位はすべての物質、あらゆる放射線に適用される。1グレイ=1J/kgのエネルギー吸収と定義される。) *東京では降下物の放射線量測定が新宿の東京都健康安全研究センターで行われている。最近の測定では「不検出」となっている。都内の水道水についても「不検出」となっている。「不検出」の定義は以下のとおり。 現在の測定状況においては、水道水は測定値が概ね0.2Bq/kg未満の場合に「ND(不検出)」と表示します。また、降下物は、降水の有無等によって影響を受けるため、水道水に比べて測定値や測定誤差の変動が大きくなります。現在の測定状況においては、測定値が雨の影響が無い場合で概ね3Bq/m2未満、雨の影響がある場合で概ね50Bq/m2未満の場合は「ND(不検出)」と表示します。 健康安全研究センターでは、文部科学省で定めた測定方法に基づき測定を行っています。測定には測定誤差があります。測定値がその測定誤差の3倍より小さい値の場合には、結果を数値として示すと正確さを欠く可能性があるため、「ND(不検出)」と表示することになっています(ND:Not Detected)。 降下物の場合も、同じ考え方になります。
by bgst
| 2011-06-27 20:19
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