As Usual
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東京タクシーセンターというのがある。以前は東京タクシー近代化センターといっていた。タクシーでの忘れ物、苦情、各種問い合わせなどを受け付けている。何回かタクシーに忘れ物をしたことがあってお世話になったが、迅速なサービスだった。
このセンターの名称から「近代化」が抜けたのは最近だ。もうしばらく前から、世の中では「近代化」が古い言葉になっていたのだが、タクシー業界には残っていた。古い体質を改善して、新しくより優れたものにしていこうという意味が込められた言葉であるから、ずっと使えそうなはずだが、意味以上にイメージが時代遅れになってしまった。「近代化」の名称を使っているところは、遅れているという奇妙なねじれができていたのだ。 今は、「近代化」を卒業し、高次元の取り組みに入っていることをにおわせるのがカッコイイことになっている。実態として近代化が必要とされていてもだ。いまだに正当な理由なく女性のみにお茶汲みをさせている企業があれば、それこそ近代化すべきなのだが、その会社の名前が気取ったラテン語だったり、哲学用語だったりする。 名前でイメージが左右されるのは当然だ。でも、そのイメージが真実と思い込む愚は避けたい。江戸時代からブランドに弱い日本人はよけいに気をつけるべきだろう。文化として騙されやすくなっているからだ。それも、騙されながらそれに薄々気づいていても、大勢が騙されていると安心したり、納得したりしてしまう。 「近代化」が駆逐されても、近代化はずっと続くべきなのだ。イメージの裏を読み取る努力を怠ってはならない。 東京タクシーセンターには近代化を続けてもらいたい。お茶汲み大丈夫ですか。
by bgst
| 2005-07-24 11:04
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