As Usual
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ジャンルやカテゴリーを示す言葉の扱いは難しい。使わなければ説明しにくいが、使えば使うで誤解されたりする。言葉の限界を絶えず見せつけながら、言葉のマジックも披露したりする。
本屋に行けば、フィクション・ノンフィクションからはじまって、男性誌・女性誌、音楽・スポーツ・旅行・ファッション・コンピューター・インテリア・料理・グルメ・ワインの他、参考書・学術書・児童書、などエンドレスに続く。音楽のジャンルでは、邦楽・洋楽、ポップ・ロック・ジャズ・クラシック、インディ-ズ、ヒップホップ・スカ・レゲエ・テクノ・ラウンジ・エレクトロ、ブルース、カントリー&ウェスタン、R&B、ワールドミュージック、ニューエイジ、ヒーリング、伝統音楽、器楽・声楽などいろいろあり、さらにそれらが細分化されたり、別の枠でくくられたりしている。 疑いもなくジャンルにずばり当てはまるものなどあるのだろうか。例えば、作曲家で教会オルガン演奏者の J.S. バッハは普通クラシックに区分されている。多くの人はこれで別に問題は感じない。ところが、歴史的に見ると、バッハが登場した17世紀後半において、彼の音楽はどうやら不協和音が多い、少しばかりアヴァンギャルドなものと認識されていたようだ。もしこれが事実だとすると、当時のジャンル分けではバッハは今でいうクラシックではないことになる。 もっと最近の例でいえばビートルズがある。彼らが1960年代に登場した時、その音楽をノイズ同様にとらえ(蛇足だが、「ノイズ」というジャンルが今の音楽にはある)、評価しなかった人も大勢いた。ところが、今やビートルズはポップ・ロックの「クラシック」となっている。音楽史に間違いなく残るであろうビートルズだが、あと 300 年たって(つまり2005年にバッハのジャンルを考えるように)彼等の音楽をカテゴライズしたらどのようなジャンルに入るのであろうか。 ジャンルやカテゴリーが消滅したり変遷したりするダイナミズムの中にこそ面白さがある。歴史のテストを経て残っていく本や音楽などのコンテンツの中には作品として優れたもの、普遍性のあるものが多いが、消え去っていったものの中にも宝は隠されている。ジャンルやカテゴリーの名前に惑わされず、作品自体を自分で評価すれば、そういう宝も拾っていくことができる。 ともすれば企業のマーケティング力が個人の評価能力を鈍らせてしまう今、提示されるジャンルやカテゴリーは鵜呑みにせず、逆に自分専用のカテゴリーを構築するぐらいの努力が求められている。
by bgst
| 2005-06-18 15:12
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