As Usual
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カフェで占いをやっている女性二人組を見かけた。一人がプロと思しき占い師、もう一人が依頼人だ。二人向き合って座り、対話形式で占っている。占い師の手元には手帳のようなものがある。
こういう光景を何回か見た。ここ7-8 年ぐらいの間に四、五回だろうか。これで「多い」とは言えないかもしれないが、目につく。占ってもらっている人は身なりもよく、それなりに安定した暮らしをしているように見受けられる。占い師を雇ってまで占うからには金銭的に余裕があるのだろう。占い師はいずれも話し上手で、相手が聞いて喜びそうなことや、心配のネタを想像しながら巧みに言葉を操っている。二人の関係はちょっと見ると友人同士のようだ。唯一、手帳が普通の友人でないことを物語る。 ハリウッドでは占いが映画関係のセレブの間で盛んらしい。日本でもお金持ちの奥様方がプロの占師を雇っていたりする。占いはどこでも支配層や富裕層にとって古くから重要だった。漢字の起源が中国で卜に使った甲骨文字だというのは学校で習う。古代日本では、現在の中央政府の一機関にあたる中務省(「天皇の補佐や、詔勅の宣下や叙位など、朝廷に関する職務の全般を担っていた為に、八省の中でも最も重要な省」-Wikipedia)の陰陽寮に陰陽師という占筮を専門とする官職があった。古代から中世にかけて中近東・ヨーロッパ世界でも国家や王家は占星術で未来を占った。 人間に心配はつきものだ。心配を減じるために将来を見通したい。占いはそこを衝く。占い師は己の「能力」を報酬と引き換えに提供する。そして、報酬はしばしば占いを依頼する側の地位と連動する。 こうして、地位・報酬・心配/将来・占いの連鎖が完成する。古今東西、普及深度や利用者の多寡はあるものの、この枠組みに変わりはない。現代では一見、一般人を対象とした無料の占いが被占者の地位に関係なく提供されているように見えるが、これも占いを提供する媒体の販売収入や広告収入が原資になっていることからして、貧困ではない一般人の総数が多いという「一般人の地位の高さ」が関係していることがわかる。大量消費社会では「お客様が神様」なのだ。 「神様」が占いを欲するとは、これいかに。
by bgst
| 2014-06-10 13:54
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