As Usual
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秋になって涼しくなってきたなと思うと、「寒い」という人がいる。気温は同じ所にいれば誰にでも同じはずなので、体感が違うことになる。ヨーロッパで日本人がレインコートを着たくなる温度のとき、庭先で日光浴をしている現地の人がいたりする。日本人が長袖でいいぐらいの時に東南アジアの一部の人は冬用のジャンパーを着ていたりする。生まれ育った所の気候が体感に影響していることがわかる。
体感は温度に限らない。音も相当違う。マンションのようなところに住んで夜8時以降に隣人に聞こえるようなノイズを出すと、ドイツではすぐに文句を言いにくる。ノイズが習慣的になると、しばらくして警告書が郵便受けに入ることになる。ちゃんとしたレストランでは大声で笑ったりするのはご法度だ。子供が叫びながら駆けずり回ったりしたらすぐに注意される。もっとも、レストランには小さな子供など連れて行かないのが原則だが。 アジアでは人口が多いせいか、大勢で声高に笑ったり話したりしただけではすぐに注意されたりしない。むしろ、わいわい賑やかなところがよしとされたりする。北ヨーロッパのまともなレストランはだいたいシーンとしているのが普通だ。BGMもほとんどない。静かだが、人によっては緊張感を感じるだろう。日本はどこへ行ってもBGMだらけで、逆に疲れてしまう。気を休めるはずのBGMがいらだたせる。この辺は日本のレストラン業界も工夫が必要だ。ただ、話し下手の人同士でかしこまってしまって、BGMなしではとてもではないが間が持たないということもあるだろう。そのあたりの読みが営業成績に影響することもある。日本とドイツでは人と音の文化が違うので同じ土俵で論じるのはなかなか難しい。 この間、中国の人が書いた記事を新聞で読んだが、彼女は日本で生活していて日本語の会話が静かだと感じると言う。中国語の方がうるさいらしい。これは実感と合致する。香港や上海で中国人同士の会話を耳にしたが、普通の会話でもどこか会話が闘っているような印象を得た。これは発音とか抑揚のせいだと思う。こういう日常の音環境があると、作られる音楽にも影響が出てくるだろう。京劇で見られる文字通り劇的な音楽は、台詞や歌の大胆な演じられ方と相まって見るものを圧倒するが、あれはやはり中国語の音環境あってこそだと思う。 それぞれの人が感じる温度が違うように、それぞれの文化における音に対する感じ方も違う。文化別の音環境を精査して、比較してみると、それぞれの音楽への影響とか音楽への姿勢とかの違いが浮き彫りになって面白いのではないか。交響楽の隆盛がゲルマン文化の音環境とどうつながっているのか、ポップ・ロック音楽の発生と発展にアングロ・サクソン文化の音環境がどうつながっているのか、ワールドミュージックのカテゴリーで大きな分野を作るケルト系とジプシー系音楽がどのような音環境をもつ文化から出てきているのか、いろいろ興味は尽きない。
by bgst
| 2005-10-24 12:42
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